物性化学研究室
西條 純一
専門分野
無機化学
主な研究テーマ
分子を使った磁性体やナノ物質の開発
経歴
東京工業大学 博士(理学)
東京工業大学 日本学術振興会特別研究員,2003 – 2004
分子化学研究所 助教,2004 – 2012
本学 理工学部,2012 – 現在
研究の概要
日常的に目にする「磁石」は金属やその酸化物で出来ていますが,実はスピンを持つ有機物や磁性金属錯体を集積した 「分子から出来ている磁石」という全く異なる磁性体が存在します。「分子性磁性体」と呼ばれるこれらの物質は,有機化学に基づく柔軟な分子設計が可能であったり,光応答性や導電性など異なる物性を示す置換基を磁性分子に組み込むことでの多機能化が容易であるなど,従来の磁性体とは違う優れた特徴を持つ興味深い研究対象であります。より強い相互作用を持ちこれまでよりも高い温度で優れた特性を発揮する磁性体や,複数の物性が互いに影響し合うことで新たな機能を発揮する複合物性系の開発を目指し,新規分子の合成と,新たな構造を持つ結晶の構築を進めています。
主な原著論文
1. Nishijo, J., Akashi, T., Enomoto, M. & Akita, M. Facile Preparation of Organometallic Nanorods from Various Ethynyl‐Substituted Molecules. ChemistryOPEN 8, 873-878 (2019).
2. Nishijo, J., Iwama, K. & Enomoto, M. Unexpected Strong Antiferromagnetic Interaction in [CuCyclam][Ni(1,2-benzenedithiolate)2]2. Eur. J. Inorg. Chem. 2015, 348-354 (2015).
3. Nishijo, J. & Enomoto, M. A Series of Weak Ferromagnets Based on a Chromium–Acetylide–TTF Type Complex: Correlation of the Structures and Magnetic Properties and Origin of the Weak Ferromagnetism. Inorg. Chem. 52, 13263-13268 (2013).